会長挨拶

獨協医科大学　心臓・血管外科
福田　宏嗣

　この度、第25回日本Advanced Heart & Vascular Surgery/OPCAB研究会を、2020年12月6日（日曜日）に開催させて頂くことになりました。20年を超えて日本の心臓血管外科の進歩を先導してきたこの研究会を主催させて頂くことを大変栄誉に思います。
　現在の未曾有の新型コロナウイルス感染症の拡大で貴社におかれましても大変なご苦労をされていることとお察し申し上げます。
　今後の見通しも不透明ですが慎重に開催形態を検討した結果、完全web形式で開催させて頂く事といたしました。一方、この研究会は若手向けのwet labやdry labが売りの一つになっており、状況が許せばMICSのdry labのみ少人数で現地集合（東京駅近接のJPタワーホール＆カンファレンス）にて開催できればと考えております。
　本研究会は1999年発足以来、OPCABを始め多くの先進心臓血管外科手術の普及に貢献してきた伝統ある学会です。今回のテーマは「MICSを始めよう！極めよう！」としました。従来の胸骨正中切開での心臓大血管手術の成績が安定し更なる低侵襲性を目指し、胸骨切開を伴わないMinimally Invasive Cardiac Surgery （MICS）が保険償還されたこととも相まって急速に普及し始めています。しかし安全性を担保しながら成績を維持・向上させるにはまだ多くの課題があります。プログラムはbeginner向けに「如何に安全にMICSを始めるか」をexpertの先生にご講演頂き若手を中心に議論して頂きたいと思います。一方、expert向けには各施設のロボット支援手術を含めた最新のMICS手術をご紹介して頂き、それぞれの方法のメリット、pitfallなど今後の成績向上に向け忌憚なく議論していただければと思います。
　Withコロナ時代に合わせた学会の開催形式が模索されており、web開催でもアーカイブ配信することで現地開催以上の参加者が期待されます。一方、十分な議論ができないなど不十分な点も指摘されていますがチャット形式などで十分な議論ができるように工夫もして皆様に有意義な会になるように鋭意準備を進めて参りますので、よろしくお願い申し上げます。

謹白